仮説でつくりだす新たな価値観
主任
高橋 咲莉
仮説の積み重ね
ワールドパーティー様の男性用日傘「Wpc. IZA」は男性用日傘のパイオニアです。当時、男性が日傘を求める市場は、まだ誰も参入していない未知の領域でした。そこには前例となる販促データも、過去の広告施策の成功体験も存在しません。
だからこそ私たちは、あらゆることに「仮説」を立て、検証し、積み上げていくアプローチを重視しました。新たな商品カテゴリー自体を浸透させるためには、段階を踏み、時代の空気を敏感に捉えていく必要がありました。
段階を踏む
当初男性が日傘を使うことは決して一般的ではありませんでした。そのときADEXが持っていた仮説は「恥ずかしいという心理が販売促進を阻害する」というもの。そこで「男性が日傘を使うことは、ありか、なしか」と、まず世の中に問いかけることで、受け入れられる空気感をつくることから始めました。
抵抗感を払拭した次の段階は、より多くの人に受け入れていただくこと。そのために機能価値の訴求へ転換しました。記録的な猛暑という社会背景も追い風に、「涼しさ」「快適性」といった実利を丁寧に伝え、男性用日傘を自然な選択肢として拡張していきました。世の中の認識が変わるには、一定の時間が必要です。だからこそ焦らず、層を重ねるように施策を積み上げていったのです。
時世に合わせる
ワールドパーティー様はトレンドをつくっていくことが求められるアパレルメーカーです。常に1年先を見越した提案を行うため、都度市場を探るアンケートを実施し、時流の変化の兆しを敏感に捉え、戦略に反映させてきました。これこそが、新しい価値観をつくる上で、何よりも大切だと考えています。
一貫性を保ちながらも、時世にあわせて柔軟に方向性を調整する。その繰り返しの中で、男性用日傘は商品という枠を超え、人々の生活に根ざしたものへと昇華していきました。
終わりに
この三年間のプロモーションで人々に認知されたものは、単なる「商品」ではなく「新しい価値観」です。男性が日傘を持つことは、もはや恥ずかしいものではなく、スマートで当たり前の選択肢へと変化しました。その結果、Wpc. IZAの累計販売本数は、プロモーション開始前の約7.5倍の成長を遂げました。
その転換を生み出したのは仮説と検証を繰り返し、当たり前として受け入れられるストーリーを作り続けること。そして社会の声に耳を傾け、戦略を組み替える柔軟性でした。新たな価値観を作る力を信じ、これからもワールドパーティー様と挑み続けます。